プロジェクトR〜挑戦者たち〜
                                                 原作:峰
                                                    編集:管理人


 それは春季大会終了後の飲み会の席での事であった。新一年生の歓迎も兼ねたこの飲み会にて、私とAとBさん、そして新人のC君が同席で今回の大会について話し込む。

 私 「・・・しかし、C君には暇だったかもしれないね、団体戦も出れなかったし・・・(俺も出れないけど)。」
 C君「いえ、そんなことないっすよ〜。」
 私 「いや、俺もそうだったけど、学園の1年って秋の新人戦まで暇なんだよ。もう少し対局経験の場があればいいけど、一般大会は金がかかるしね・・・」
 A 「じゃあ、部内で大会を開きましょうよ。ちょっとだけ賞金をかけて・・・」

 ・・・というわけで、新人戦までの期間を使って部内で一年生だけの大会をしようという方向に向かいつつあった。その名も
「アワ杯(カップ)」。3人の話は具体的に固まりつつあった。しかしそこでBさんの運命的な一言が・・・・・・
 Bさん「部内じゃつまらん。他校の1年も呼んで大会開けばいいじゃないか!」

 この一言で、私たちは大変な仕事を成し遂げることになる。

 まず、各大学の一年生へ参加を呼びかけるために北海道学生将棋連盟の協力をお願いする事にし、理事長様に話を持ちかけたところ、却下された。理由をかいつまむと、「突然そんな話を持ち出されても困る。それに大会の会場や具体的な内容も決まってないでしょう。連盟に連絡するにはまず企画を固めることだ。」ということだった。そこでいつの間にかというか、なし崩しにというか運営責任者になってしまった私は一週間を費やしてかなり本格的な企画書を書かされることになった。(しかも1、2回ダメだしをくらった。)

 ナンダカンダで企画書を書き上げ、ようやくGOサインとなった大会『ルーキーリーグ』。しかしまだまだ我々は数多くの問題を抱えていた。まず他大学との都合をあわせる必要があったこと、夏休みが間近に迫り大会開催までの期間が短いこと。そして学園には将棋盤、駒、時計が多量に不足していることだった。

 まず大会会場となる教室を借りるために急ピッチで教室の予約をしなければならず、阿波会長に力を振るってもらう。次に将棋盤、駒、時計を補充するために北大将棋部様にお借りした。しかしそれでも足りない分は会館にレンタルをお願いすることにした。しかし公式の大会じゃないため部費で落とす事ができず、私が自腹を切る事になった。
 また大会上位者に送る景品を買い、またも私が自腹を切った。

・・・・・・・・・このときすでに私の自腹額は一万を超えていた!

 そうして何回も学校と会館を往復しつつ運営準備が着々と進む中で、新たな問題が浮かび上がってきた。それは大会参加者の問題である。当初は札幌市内にある札大、北大、そして学園大の3校を予定していたしかし札大の都合がつかずキャンセルとなってしまったのである。人数が足りなければ大会を開くことはできない。いまこのプロジェクトが閉ざされようとしていた。

 しかし、救いの手は差し伸べられた。なんと偶然にも我が将棋研究会のホームページを見てくださった室工大の部長様がエントリーを申し出てくださったのだ。

 ・・・そして、ルーキーリーグは開かれた。
 4回戦のスイス式で順位を競う大会、一年生だけの大会ながらなかなかの好勝負が行われたと思う。特に優勝決定戦の学園和田君VS北大川崎君の対局は会場にいた全ての人が、二人の周りを囲むように観戦していた。前日まで本当に皆が参加してくれるかどうか不安で仕方が無かった私だが、この風景を見てやっとこの大会が成功したという確信が持てた。


 今回の大会は一年生の皆にとっていい経験になったと信じている。そしてこのことが今後の大会に成果として現れる事を期待する。そしてこの場を借りて大会運営に協力してくださった方々、また大会に参加してくださった皆様に感謝したい。今回のことで私も様々な経験をさせていただきました。この経験は一生の宝物になると思います。


了 


 感動した!       もう一度見たい







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